昭和48年49年の行政訴訟判決

◆S48. 7.30 仙台高裁 昭和47(行コ)7 供託金取戻請求却下処分取消請求控訴事件(2)◇

に必ずその旨の明文の規定が設けられるのが通例であるとしても、そのことから直ちに、法令により証憑書類を添付すべきものとされ、かつ、その作成者が第三者である場合において、右第三者の印鑑証明書を必要とすべきときについても、法令上あらためてその旨の明文の規定が必要であるとは、必ずしも論断できない。
(二) ところで、供託規則二五条三号が、供託物取戻の場合において、払渡請求書に権利の承認の事実を証する書面を添付すべきものとしているのは、請求人が正当な請求権者であることを供託官をして形式的審査により確認させるためであり、かかる権利の承認の事実を証する書面としては、後述する印鑑証明書つき私署証書以外にも、たとえば確定判決、戸籍謄本、公正証書、官公署の証明書等、多種多様のものがありうるので、同条号は概括的に「その事実を証する書面と規定しているのである。
ところが、真正に成立した文書であることが当該文書そのものから窺知しえない、私人作成の譲渡証書の場合には、それだけでは供託官の形式的審査により権利の承継があつたものと確認することができず、したがつて供託規則二五条三号の書面としては不完全であるので、当該文書の形式的真正を担保する必要上、これに譲渡人の印鑑証明書を付加したものが一体として、同条号所定の書面であると解しなければ、同号の規定により権利承継の事実を証する書面な払渡請求書に添付して提出せしめる法意を全うすることができないことは明らかであり、このように解することは何ら法令の趣旨に違反しないばかりか、むしろ同条号の規定の解釈として事理の当然というべきである。
供託法および供託規則に、証憑書類たる第三者作成の私署証書について作成者の印鑑証明書の添付を要求する明文の規定かないことのみをもつて、前記解釈を否定することは、法令のあまりにも形式的な解釈であつて、供託規則二五条三号の規定を没却するものである。
(三) 現に、本件のごとき場合以外にも、たとえば債権不確知を理由として被供託者を甲または乙として供託がなされ、その被供託者の一方が供託物の還付を請求する場合には、他の被供託者の承諾書のみでは供託規則二四条二号の「還付を受ける権利を有することを証する書面」とするに不十分

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